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年末の演奏会というと、ベートーヴェンの第九と相場は決まっている。昨年暮れ、岩手県民会館は第九コンサートを主催(第14回参照)して絶賛を浴びた。今年は盛岡市民文化ホールがマーラーの交響曲第2番『復活』を主催した。快挙だと思う。
第九に比べて、マーラーの2番は演奏される機会が少ない。とはいえ、マーラーが残した9曲(未完の10番を含めると10曲)の交響曲のなかでは人気が高く、CDにも多くの名演がある。
聞くところによると、東北地方でのプロによる演奏としては初めてなのだそうだ。
なにしろ、曲の長さもさることながら、管楽器の数の多さ(ステージ裏にも管楽器を配する)、二人の独唱者、合唱付きなど桁外れの交響曲だ。
今回は東京交響楽団と盛岡の高校生、大学生、そして盛岡バッハ・カンタータ・フェライン(総勢210名)の共演が実現した。ソプラノは森麻季、アルトは寺谷千枝子、合唱指導は盛岡バッハ・カンタータ・フェラインの佐々木正利、指揮は飯森範親である。
コントラバスが大活躍する主題、マーラーならではの美しい緩徐楽章(5番のアダージョが有名だけど、2番のも美しい)や合唱を堪能した。パーカッションが大活躍するのもおもしろかった。
マーラーは室内楽をあまり残してくれなかったが、交響曲に室内楽的な要素がしばしば見られる。この曲でも随所に室内学的な響きを聴くことができた。
マーラーの楽譜は指示がとても細かくて、ヴァイオリニストがヘッドを立てて弾く場面がいくつかあったが、あれもちゃんと楽譜に指示されているのだそうだ。
合唱付きの交響曲をずっと考えつづけていたマーラーは、ベートーヴェンの模倣になることを恐れ、慎重になっていた。交響曲第2番は、友人で高名な指揮者だったハンス・フォン・ビューロー(ベルリン・フィルの初代常任指揮者)の葬儀の際に着想を得て完成させることができた。それまで6年の歳月を要している。
さすがに考え抜いただけあって、合唱が実に効果的だ。複雑な和声の管弦楽がつづいた後、ルネサンス音楽のような単旋律の合唱が、大地を潤す水のように心に入ってくる。
崇高、荘厳な曲にどこか爽やかさが感じられたのは、合唱団に高校生がたくさん入っていたからだろう(この曲を歌った高校生もそう多くはあるまい)。
ちなみに、『復活』という標題はベートーヴェンの『運命』と同じように後世につけられたものだという。それでも確かに聴き終えたとき、体の細胞がすべて生まれ変わったような感覚があった。
それにしても、2番にこれだけのものを書いてしまうと後が大変だったろうとぼくなどは思ってしまう。
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