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いやあ、大変なものを観て(聴いて)しまった。これを超える感動は、とうぶん味わえないかもしれない。
これ、実は同公演の初演を見たときにも書いた文章なんですが(第44回をご参照ください)、今回も同じ感激を味わった。
いや、前回にも増して深い感動を得た。劇団赤い風の大森健一さんを演出に迎え、若干の改訂をおこなったことが功を奏した。物語に奥行きが出て、説得力が備わったのだ。
すでにストーリーも知っているのに、初めて観るような新鮮さがあった。再演とはいえ、5年前に出演した子どもたちはもう同じステージには上がっていない。だから、演じる側にとっては初演なのである。
公演後に作曲家の長谷川恭一さんとお話をする機会があった。
「実は前日まで、これで大丈夫だろうか、と不安があった。けれども、本番で子どもたちは奇跡を起こした。少しずつ成長し、本番当日に脱皮したのだと思う」
そうおっしゃるときの長谷川さんもまた子どものように目を輝かせていた。
我々聴衆の心を打ったのは、子どもたちが「上手に演じた」ということよりも「この物語を心から信じている」ことがひしひしと伝わってきたからだと思う。
最も改訂があったヒドラ王(小原一穂さん)は、虚無的で残忍な王から、メロスとセンテウスの姿に心を揺さぶられて改心するという難しい役をみごとに演じた。
王に従わなければならいのにメロスを心のなかで応援する臣下たちもよかった。
ぼくはセンテウス(小野寺真織さん)が印象に残った。ひたむきさと無垢さに加えて、どこか颯爽とした独特の雰囲気を持っている。貴重なキャラクターだと思う。
最後に改めて、キャスト、スタッフ、この公演を支えた多くの人々に最大限の敬意を表したい。当日配布されたパンフレットには協賛スポンサーの小さな広告がたくさん並んでいる。こういうことが大切なのだ。
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