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◆第181回 ダンス、ダンス、ダンス。(18.August.2008)

ブロードウェイ・ミュージカル『スウィング!』
北上市文化交流センターさくらホール大ホール
平成20年8月9日(土)18時開演

 さくらホールで本場ブロードウェイのミュージカル『スウィング!』を観てきた。
乗りのいいステージに、観客も自然に体を揺すりだす。基本は戦前のスウィング・ジャズだが、サルサになったり、ソウルになったりとアレンジも達者。ダイナミック、キュート、セクシー、いろんなタイプのダンスが観られた。歌も踊りも一皮むけていて、さすが本物は格が違う。

 バンド(トロンボーン、トランペット、サックス×2は持ち替えでフルートも、コントラバス、ギター、ドラムス、ピアノ、それにウクレレとトランペットを演奏する人がときどき参加)もさすがにうまかった(当然といえば当然なのだが、それにしてもうまかった)。
なかでもギタリスト(ピックを使わず、指で弾いていた)があまりにも素晴しかったので、名前を調べるために(それだけのために)プログラムを買った。なんと、ショーン・ハークネスだった。ぼくはこの人のCDを3、4枚もっているはず。ジャズ・ギタリストとしてよりも、フィンガー・ピッカーとしてよく知られていて、この人だけでもコンサートができる。
 そういう人が伴奏バンドの一員に入っているということが、ブロードウェイの底力をあらわしているように思う。おそるべし。

 ちなみに、この公演はリハーサル会場としてさくらホールが選ばれたことから、同ホール開館5周年記念事業として実現した。東京大阪では1万円超のチケットが、6500円という地域還元大サービスで、9日と10日の二日間とも満席だったという。

 ダンスつながりで、もうひとつクラシック・バレエの観劇記を。

2008バレエ・フェスティバル 〜黒澤智子バレエスタジオ〜
日時:8月8日(金) 開場18:00 開演18:30
会場:岩手県民会館・大ホール
[第1部]  
バレエコンサート ○眠れる森の美女より○海賊より○アレキナーダより○ロミオとジュリエットより○ドン・キ・ホーテより
[第2部]  
『Improvement』 モーリス・ラヴェル作曲(ピアノコンチェルト) ※この作品は録音テープによる上演
[第3部]  
『卒業舞踏会』 J.シュトラウス作曲、A.ドラティ編曲
芸術監督/黒澤智子
演奏/ロイヤルメトロポリタン管弦楽団
指揮/堤 俊作

 この日の白眉は上記の案内文にはない、『IN THE MIDDLE OF SOMEWHAT ELEVATED』だった。プログラムによれば、ウィリアム・フォーサイスの代表作で、現代バレエの代名詞とのこと。
齋藤亜紀さん(盛岡市出身・ベルギーロイヤルフランダースバレエ団プリンシパル)のもてる力(超絶技巧!)を存分に満喫した。
 聞くところによると、フォーイスは亜紀さんの踊りに惚れ込み、『白鳥の湖』を彼女のために振り付けをして来年5月に上演されるとのこと。もちろん、ベルギーでの上演となるが、これを日本でも観たいものだ。

 ラヴェルのピアノコンチェルトに振り付けをつけた『Improvement』 もよかった。どうもぼくは古典よりもモダンなものに惹かれるようだ。

 『卒業舞踏会』は軽妙洒脱で楽しかった。「軽妙」は技術がなければできないことだし、「洒脱」はセンスや資質が要求される。黒澤バレエ団のレベルの高さと資質をみごとにあらわしていたと思う。
 できれば、このレベルの公演を年に二回は観たい。

◆このごろの斎藤純

○秋田駒ヶ岳に登ってきた。先月の霧の中の岩手山登山と異なり、好天に恵まれた。やはり、登山は晴れた日に限る。疲れ方が全然違うのだ。
今月は立松和平さんと早池峰山にも登る予定だ。

クラシックス/大貫妙子を聴きながら