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◆第200回 ギターを弾く その10(25.May.2009)

『もりおか啄木・賢治青春館コンサート 原田智子&高田元太郎デュオコンサート 〜ヴァイオリンとギターの響き〜』
2009年5月16日午後4時開演
もりおか啄木・賢治青春館2階展示ホール

 「ギターを聴く」と題したが、正しくは原田智子さんのヴァイオリンとのデュオコンサートである。
ヴァイオリンとギターのデュオといえば、パガニーニがすぐに思い浮かぶ。パガニーニは演奏旅行先にオーケストラもなければピアニストもいないという場合に備えて、ギター伴奏付きのヴァイオリン曲を残しているからだ。
パガニーニに関して、ついでにもう少し付け加えると、コンサートが終わるとパガニーニは伴奏者から楽譜をすぐに返してもらい、決して演奏先に置いてくることはなかった(もちろん、写譜も許さなかった)。自分の「音楽が盗まれる」ことを極度に嫌ったのだという。

では、プログラムをご覧ください。

【第1部】
〈1〉G.F.テレマン:「12のファンタジー」より 第1番変ロ単調
〈2〉J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番 変ホ長調(原調ト長調)
〈3〉J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ長調よりシャコンヌ
 
【第2部】
〈4〉パガニーニ:カンタービレ
〈5〉バルトーク:ルーマニア舞曲
〈6〉ホワイト:キューバの女
〈7〉ピアソラ:タンゴの歴史

 〈2〉は高田元太郎さんの独奏、〈3〉は原田智子さんの独奏。とてもバランスがよく、しかも聴き応えのあるプログラムだった。
原田さんは「ギターはずるい」とおっしゃる。小さなオーケストラと呼ばれれるギターは、一台で伴奏と独奏を行なえるからだ(ただし、かつては音量が小さいため「虫たちのオーケストラ」と呼ばれたそうだが)。
高田さんはソロはもちろん、原田さんの伴奏にまわってもユニークな存在感を示した。バルトークでは原田さんを「焚きつける」ような伴奏で盛り上げた。

原田さんもバッハを端正に弾いたかと思うとバルトークでは「はじけて」弾いて、お見事だった。あえて言うならば、ピアソラでもバルトークのような「はじけ方」をしてほしかった。ピアソラこそ、もっと自由闊達な解釈がふさわしい。

高田元太郎さんについては第64回第154回をご参照ください。

実は高田さんは12日にお父上を亡くされたばかりだった。その思いを自ら記されている。
「ギター製作家の水原洋さんが亡くなってから初めて盛岡を訪れました。父だけでなく水原さんへの思いも込めて演奏することができました。
やはりどんな気持ちの時に演奏しても、ギターは心を癒してくれるし、音楽は人に元気・勇気を与えてくれます。満員の聴衆が与えてくれた拍手はどれだけ励みになったことか判りません」
高田さんの演奏を聴きながら、ぼくも水原さんのことを思っていた。高田さんと引き合わせくれたのが、ギター製作家の故水原洋さんだった。高田さんのお父上も水原さんも、きっと会場のどこかでそっと聴いていたに違いない。

◆このごろの斎藤純

○石神の丘美術館で開催中の『印象・いわて』展が、おかげさまで好評だ。ゴールデンウィーク中には一日300人の入館者があり、新記録を樹立した。ほとんどの方が「初めて見る絵に感動した」、「岩手にこんなに素晴らしい画家がいることを知らなかった」という。これからも岩手出身のアーティストの紹介につとめていこうとと思っている。
○6月7日、私が所属する田園フィルハーモニーオーケストラの第6会コンサートがあります。ぜひ足をお運びください。
【指揮】寺崎 巖
【トランペット】牛腸 和彦
【プログラム】
◇チャイコフスキー:アンダンテ カンタービレ
◇レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲より シチリアーナ
◇ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲ト短調 第3楽章
◇リチャード・ロジャース :サウンド・オブ・ミュージック
◇ホルスト:組曲 惑星より「木星」
◇すぎやまこういち:「ドラゴンクエスト」より 序曲  ほか

田園フィルハーモニーオーケストラ 第6回演奏会 
6月7日(日)午後2時開演
一般800円(当日1000円)、中学生400円(当日600円)
【問】田園ホール 019-697-5585

ヴォーン・ウィリアムス:ミサ曲ト短調を聴きながら