今月はベートーヴェンの交響曲第9番イ短調作品125「合唱付き」(以下、第九と略す)のコンサートがふたつ続くので、この作品にまつわる話をあれこれ書いてきた。
年末に第九が演奏されるのは日本独特の習慣とよくいわれるが、ドイツでは老舗のライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団がやはり年末に第九を演奏することが恒例となっているそうだ。
それでは、コンサートのご案内をさせていただく。
25日(土)、盛岡市民文化ホール大ホールでは、ダン・エッティンガー指揮、東京フィルハーモニー管弦楽団が地元の合唱団(盛岡バッハ・カンタータ・フェライン、岩手大学合唱団、岩手大学教育学部付属中学校、岩手大学教育学部附属小学校)と共演する。
ソリストは、森麻季(ソプラノ)、谷口睦美(メゾ・ソプラノ)、堀内康雄(バス)らの予定。小中学生がこの曲に挑むのは全国的にも珍しいだろう。盛岡バッハ・タンタータ・フェラインを率いる佐々木正利氏の指導はたとえ小中学生とはいえ妥協がない。その意義は大きく、実に幸せな体験だと思う。
午後4時開演。チケットは、SS席9000円、S席8000円、A席6000円、B席5000円(いずれも前売り)。問い合わせ先は、019-621-5100。
翌26日(日)は、矢巾町田園ホールで同ホール20周年記念として第九が演奏される。
田園フィルハーモニー管弦楽団を母体に編成された田園ホール20周年記念オーケストラを指揮するのは、2009年度岩手県芸術祭選奨を授賞された寺崎巌さんだ。寺崎さんは脂がのっているところだから、ぜひ注目していただきたい。
ゲストに迎えるコントラバス稲川永示(NHK交響楽団)、オーボエ戸田智子(東京藝術大学別科)、ファゴット廣幡敦子(東京藝術大学)、トランペット牛腸和彦(桐朋学園出身)、ホルン甲田幹雄(東京交響楽団)ら若手の演奏も楽しみだ。
田園ホールの第九のもうひとつの大きな特徴は、不来方高校出身のソリストが活躍することだろう。ソプラノ藤原麻衣 (東京藝術大学卒)、アルト阿部一葉(岩手大学卒)、テノール工藤和真( 東京藝術大学在学)、バリトン関口直仁(東京藝術大学卒)というフレッシュな顔ぶれが揃った。
合唱は、田園ホール混声合唱団、矢巾コール、不来方高等学校音楽部を中心に、町内外から公募で参加したメンバーを加えた約210名の大合唱団だ。迫力のある演奏が期待できる。
午後3時開演。チケットは1000円(自由席)。残り少ないそうなので、お早めに。問い合わせ先は、019-697-5585。
|