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◆ 第240回 フランス音楽をたっぷりと(11.January.2011)

仙台フィルハーモニー管弦楽団 特別演奏会「名曲コレクション」ニューイヤーコンサート2011
2011年1月8日(土) 午後3時開演
岩手県民会館大ホール

 もうすっかり仙台フィルの顔になった常任指揮者パスカル・ヴェロによるフランス音楽特集。本領発揮と言っていいだろう。クラシックは「理」で演奏するものだとされているが、やはり「血」は争えない。
 プログラムは下記の通り。

【第1部】
〈1〉ウェーバー/ベルリオーズ:舞踏への勧誘 作品65
〈2〉グノー:歌劇「ファウスト」より バレエ音楽
1.ヌビア人の踊り、2.クレオパトラの金の杯、3.ヌビアの奴隷の踊り、4.クレオパトラとその奴
隷たちの踊り、5.トロイの娘たちの踊り、6.鏡の踊り、7.フリネの踊り
〈3〉ベルリオーズ:劇的物語「ファウストの劫罰」 作品24より妖精の踊り、鬼火のメヌエット、
ハンガリー行進曲
【第2部】
〈4〉オッフェンバック/ロザンタール:バレエ「パリの喜び」より
序曲、1.アレグロ・ブリランテ、2.ポルカ、6.ペルー人の踊り、8.ワルツ・レント、9.行進曲、11.ア
レグロ・ヴィーヴォ、12.ワルツ、16.カン・カン、17.カドリーユ、18.カン・カン、22.ヴィーヴォ、
23.ホフマンの舟唄
〈5〉サン=サーンス:歌劇「サムソンとデリラ」より バッカナール

 全曲フランス音楽であるばかりでなく、〈1〉と〈3〉はベルリオーズつながり、〈2〉と〈3〉はゲーテの『ファウスト』つながりでもある。サン・サーンスは『動物の謝肉祭』にベルリオーズの曲から引用しているので、そういうつながりもある。
 それはともかく、いずれも有名な曲なのに盛岡ではなかなか聴く機会のない曲ばかりだったから、得をしたような気分になった。パスカル・ヴェロのもとで仙台フィルも演奏を楽しんでいるように感じた。
 かつてNHK交響楽団がシャルル・デュトワを迎えたことで、とても垢抜けたオーケストラになったように、仙台フィルも変わってきた。
 ぜひ交響曲のコンサートも岩手県民会館で定期的にやってほしいものだ。

 ところで、残念ながら客席は6割程度の入りだった。ここ半年ばかり、どのコンサートも入りが悪い。不況の影響だ。私もいろいろと不況の影響をこうむっているが、こういうときだからこそ、音楽がますます大切になっている。音楽は明日への活力を与えてくれる。

◆このごろの斎藤純

〇去年は美術展32本、コンサート24本、映画29本(DVDは含まず)、演劇4本を鑑賞しました。コンサートは若干増えたものの、いずれも例年並みです。よくもまあ毎年、判で押したような数になるものだと自分でも驚いています。

アルヴォ・ペルト:フラトレスを聴きながら