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◆第278回  バレエの祭典(27.AUG.2012)

黒澤バレエスタジオの発表会が、素晴らしいゲストを迎えて開催された。
〈プログラム〉
第1部 オープニング
    コッペリア 第3幕
    バレエコンサート
第2部 B−MOTION
    白鳥の湖 第2幕
  黒澤バレエスタジオは改めて言うまでもなく、我が国バレエ界の先駆者であり、指導者としても優秀な人材を世に送りだしている黒澤智子さんが主宰されている。
 今回は発表会と銘打っているが、その内容はいわゆる発表会のレベルを遥かに超えている。管弦楽を地元の岩手フィルハーモニー・オーケストラが担当したことも特筆しておきたい。指揮はこの連載でもお馴染みの寺崎巌さんだ。
 黒澤バレエスタジオと地元の音楽家の共演は、私が長いあいだ夢に見ていたことだった。これを実現した関係者のご尽力にまず敬意と感謝の気持ちを記しておきたい。
 ゲストには黒澤バレエスタジオ出身で、現在はベルギーロイヤルフランダースバレエ団のプリンシパルとして活躍中の齊藤亜紀、同バレエ団プリンシパルのウィム・ヴァンレッセン、黒澤智子さんの古巣である谷桃子バレエ団の三木雄馬、古澤良、黒澤バレエスタジオ出身の田辺淳、黒澤バレエスタジオ出身の力丸純奈さんが主宰するシューネマン・力丸純奈バレエスタジオから石橋奨也を迎えた。
 子どもたちの演技に微笑み、ゲストの妙技に感嘆し、そして齊藤亜紀さんが登場すると溜め息がそこかしこから聴こえてくるようだった。
 オーケストラピットから、この公演を支えた岩手フィルと寺崎巌さんもみごとだった。ことに『白鳥の湖』には涙した。演奏の素晴らしさに加えて、「とうとうここまで来たか」という思いが込み上げてきたのだった。
 カーテンコールに登場した黒澤智子さんの矍鑠としたお姿にも、私は何だか嬉しくて、また泣いてしまった。このごろどうも涙腺が弱くてしようがない。
◆このごろの斎藤純
〇北海道ツーリングを無事に終えてきた。避暑のつもりだったのに、どこもかしこも猛暑だった。
〇寝違えたときのような痛みを首に感じ、整形外科に行った。首の骨の変形が原因だが、「老化現象ですから」とのこと。老化現象というのは、首痛以上にショックだった。
ピアノ協奏曲第1番/ベートーヴェン(ピアノ:グレン・グールド)を聴きながら