◆第204回 この夏のおすすめ(20.July.2009) |
| この夏のおすすめを二つ紹介しようと思う。 |
■宮古市出身のヴァイオリニスト伊藤奏子さんが、二年ぶりに岩手県でコンサートを開く。
前回2007年は、夫でもあるチェリストのマーティン・ストーリーとブラームスの〈ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲〉を共演し、郷里の音楽ファンに大きな感動を残していった(第157回参照)。
今回のプログラムは、伊藤奏子さんによるリムスキー=コルサコフの交響組曲「シェヘラザード」と、マーティン・ストーリーによるドヴォルザークの〈チェロ協奏曲〉で、オーケストラはこのコンサートのために編成されたオーケストラ・アンサンブル2009(指揮は寺崎巌さん)。
伊藤さんは桐朋女子高等学校音楽科卒業後、パリ国立音楽院、ボストン・ニューイングランド音楽院アーティストディプロマコースにて研鑽を積み、2000年からはアメリカのアメリカのカンザスシティー交響楽団でコンサートミストレス(コンサートマスター)をつとめている。
マーティンさんはイギリス・ノーリッチ市生まれ。王立アカデミー音楽院在学中にすべてのチェロ賞、リサイタル賞を獲得し、首席で卒業。フルブライト留学生としてニューイングランド音楽院に学び、現在はバーク大学で教鞭をとっている。
海外で活躍しながら郷里の音楽仲間との共演をつづけている伊藤さん、そして、伊藤さんを迎える岩手の仲間たちの姿にはいつも感動させられる。音楽が持つ力、音楽がつくる絆の強さを改めて認識し、音楽を愛してきてよかったと思うのだ。
伊藤さんとマーティンさんのお二人は、音楽全体をきっちりと把握したうえで、包容力のある演奏をする。伊藤さんの帰郷コンサートをいつも支えている寺崎巌さんを中心とするオーケストラの結束力も、このコンサートならではの魅力だ
「シェヘラザード」は千夜一夜物語をもとにした作品で、伊藤さんの独奏ヴァイオリンがシェヘラザードを象徴している。ドヴォルザークのチェロ協奏曲はこのジャンルを代表する名作中の名作だ。
とき:2009年7月29日 午後2時開演
ところ:岩手県民会館大ホール(019-624-1173)
料金:一般2500円(全席自由。当日3000円)
■岩手町立石神の丘美術館と花巻市萬鉄五郎記念美術館では、『マンガ百花繚乱-いわての漫画家50の表現-』展を開催中。
岩手は小説家が多いことで知られているが、実はマンガ家はもっと多いということを今回初めて知った。まさに百花繚乱なのである。そのほんの一部分を、二つの美術館が共同で紹介する。
この企画展については改めて紹介する予定だが、主催者の案内を下記に転載しておく。 |
〈日本近代洋画界の先駆者、前衛絵画の開拓者といわれる萬鉄五郎は、若い頃漫画家を志した時期もありました。もし、萬が漫画家となっていたなら、どのような作品が生まれていたのでしょうか。彼が生きた時代から時は過ぎ、「マンガ・まんが・漫画・MANGA」は世界に類を見ない独自の進化を遂げ、現代日本を代表する文化に位置づけられるまでになっています。
マンガ研究が進みつつある近年、先達の偉業を紹介する展覧会、マンガ史を概観する、あるいは現代美術との関連性を指摘する企画など、美術館でマンガが紹介されることもめずらしくはなくなりました。
上記のような行為によって、ハイカルチャーとサブカルチャーといった領域とそのあいまいな境界、あるいは日本と他国におけるマンガの位置づけや表現の差異などが少しずつ明らかにされ、巨視的に捉えた「マンガ」文化が姿を見せつつあります。では、一地方という微視的視点において、マンガはどのような様相をみせるのでしょうか。
今回石神の丘美術館と萬鉄五郎記念美術館で開催する展覧会では、岩手出身・岩手在住もしくは岩手にゆかりのある漫画家の作品を集め、個々の表現に注目しながら漫画家・作品を概観します。
マンガという表現・発表形式とローカル性とは一見相容れないもののように思えます。むしろ地域性など消し去ってしまいたい場合もあるかもしれません。しかし、一方で地域性や風土性が、作品世界を構成する上で重要な要素となり、時には「地域・風土」そのものがテーマとなる場合もあります。表現者自身にとっても、自分の生まれ育った地やゆかりの場所が、陰日なたとなり内在する表現性に影響を及ぼしていることは想像に難くありません。
今回、ローカリティーという切り口で、一地方「岩手」の表現をとらえることで、マンガをめぐる状況の一端を明らかにしたいと思います。〉 |
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《出品作家》
麻宮騎亜/飛鳥あると/穴久保幸作/天沼俊/五十嵐大介/
池田文春/池田貢/池野恋/いまぜき伸/内村月子(月陽)/
小桜池なつみ/奥友志津子/小田ひで次/鴨沢祐仁/
神田・ジョセフィーヌ/菅野修/菊地かまろ/こしたてつひろ/
後藤寿庵/さいとう・たかを/佐香厚子/佐佐木勝彦/
佐藤智一/佐藤良治/すみれいこ/瀬川サユリ/
そのだつくし(唐夢千代)/高橋広/高室弓生/田中美菜子/
田辺節夫/地下沢中也/ちばこなみ/千葉利助/つづき春/
とりのなん子/中嶋まこと/ながやす巧/七草セリ/
にざかな(かな)/のなかみのる/畠山耕太郎/馬場のぼる/
原哲夫/藤井勉/藤枝とおる/藤野耕平/未影/三田紀房/
村上もとか/門馬もとき/吉田戦車/吉田光彦
会 期:2009年7月18日(土)―9月6日(日) |
◆このごろの斎藤純 |
7月は少し余裕ができるはずだった(そういうスケジュールを組んでいたつもり)が、なぜか相変わらずいろいろと振り回されている。ま、必要とされているのは幸せなことに違いない。そう自分に言い聞かせている。
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バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタを聴きながら |
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