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◆第227回  燻銀の響き ベルリン交響楽団(5.July.2010)

2010年6月24日午後6時30分開演
岩手県民会館大ホール

                    
  チケットが完売したコンサートは久しぶりだと思う。満員の大ホールは気持ちがいいものだ(私のまわりの席でも「こんなに入るのは珍しい」との声しきり)。
  しかし、どうやら誤解もあったらしい。ベルリン・フィルと勘違いをしていらした方が少なくなかった(中にはベルリン・フィルを聴いたと思い込んだままお帰りになった方もいらしたという)。
  確かにまぎらわしい。
  ベルリン・フィル(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)は、Berliner Philharmoniker。ベルリン交響楽団はBerliner Symphoniker。
  しかも、東西ベルリン時代にはふたつのベルリン交響楽団があったというから、ややこしい。

 それはともかく、指揮者のリオール・シャンバダールは今回いくつかのコンサートをキャンセルし、代わりの指揮者が振ったが、岩手ではちゃんとシャンバダールを聴くことができた。

 共演したピアノのアンドリュー・フォン・オーエンは190センチ以上ありそうなイケメンで、ピアニストというよりサッカー選手のような雰囲気。アメリカ出身の若手実力者だ。今回の来日公演ではオーケストラとずれたりしたそうだが、この日はそんなことはなく、ダイナミックかつロマンチックないい演奏だった。アンコールにはドヴュッシーの「月の光」を無難に弾いた。

 オーケストラはベルリン・フィルとは対局にあるような渋い響きで、管楽器と弦楽器がひじょうにうまく溶け合っていた。ベートーヴェンの交響曲第5番で金管楽器、木管楽器、弦楽器とバトンタッチされるフレーズでは、それぞれが切れ目なく連なって何かマジックのようにさえ感じた。

 アンコールはブラームスのハンガリー舞曲5番、6番、ビゼーのアルルの女から「ファランドール」、エルガーのエニグマ変奏曲から第9変奏「ニムロッド」。 それまでの渋い響きとはうってかわって、明るい音色で溌剌とした演奏が聴けた。

 アンコール曲はシャンバタールが日本語で紹介し、最後は鳴りやまぬ拍手を制して「おやすみなさい」とステージを去った。     

◆このごろの斎藤純

○私が芸術監督をつとめている岩手町立石神の丘美術館で、去年につづいて今年も「プロポーズの言葉コンテスト」を開催中です。
【応募資格】
岩手県内に在住の方
【部門】
未婚者だけではなく既婚者でも応募できるよう、次の2部門を設定します。
1.これからプロポーズの部(未婚者対象)
2.これで決めましたの部(既婚者対象)
【応募締切】
平成22年8月12日(木)当日消印有効
【賞および賞品】
* 最優秀賞・・・2名(各部門1名)
o 旅行券10万円相当
o 石神の丘レストランディナーペア券
* 優秀賞・・・10名(各部門5名)
o 石神の丘レストランディナーペア券
o 岩手町特産品詰め合わせ
【選考・発表】
厳正なる審査のうえ石神の丘美術館公式サイト及び石神の丘美術館掲示板にて発表します。
●審査委員長/内館牧子 審査委員/菊池幸見、斎藤純
●発表日/平成22年8月30日(月)
●表彰式/平成22年9月12日(日)
        石神の丘美術館にて 内館牧子委員長から受賞者へ伝達

■応募方法など詳しいことは下記にお問い合わせください。
【問い合わせ先】
岩手町立石神の丘美術館 石神の丘で愛を誓う―恋人の聖地・石神の丘 プロポーズの言葉コンテスト―係
TEL:0195-62-1453

岩手町教育委員会事務局社会教育係(担当/菅原、佐々木)
TEL:0195-62-2111(内線343) 

ディーリアス:夏の歌を聴きながら