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◆ 第265回 芸術と生活 (6.February.2012) |
宮城県美術館が開館30周年を記念して開催している『クレーとカンディンスキーの時代』展に行ってきた(3月4日まで)。宇都宮美術館との共同開催で、両美術館が所蔵するクレーとカンディンスキーの全作品と同時代の作家らの作品、さらに、二人が教鞭をとったバウハウスの作品も展示されていて見応えがあった。 |
クレーとカンディンスキーは、20世紀初頭に新しい絵画を追求し、モンドリアンなどとともに抽象画の創始者と呼ばれている。 |
カンディンスキーは、ストラヴィンスキーがロシアを強く感じさせるのと同じくらいロシア的な画家だと思う。うまくいえないが、あのアヴァンギャルドな感じはやっぱりロシア的だと思う。ロシアというのは極端なところがあって、がちがちにスクエアなところがあるかと思うと、はちゃめちゃなところもある。それが大陸的というものなのだろうか。日本にこういう極端さはない。 |
クレーはどこかメルヘンチックなところがあるせいか、日本での人気が高い。厳しい時代を生きたのに、それをあまり感じさせないのは、逆に強靱なものを秘めていたからに違いない。そうでなければ、こうも長く愛されることにはならなかっただろう。作品というものは、ただ甘いだけでは、時間とともに力が尽きていく。私たちが「穏やか」とか「優しい」と感じているものの多くが実はその裏側に強いものを秘めている場合が少なくないようだ。 |
クレーとカンディンスキーは、建築・デザイン・美術の学校であるバウハウスで教鞭をとる。ここにも芸術の融合が見られる。 |
◆このごろの斎藤純 |
○季刊「環」(藤原書店)の2012年冬号が出ました。東日本大震災特集で、陸前高田にスポットがあてられています。ぜひ手に取ってごらんください。私も寄稿しています。 |
熱風/オールマン・ブラザーズ・バンドを聴きながら |