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◆ 第270回 今もなお刺激的なセザンヌ (1.May.2012) |
『セザンヌ パリとプロヴァンス』展 |
その画家が生きていた時代にはセンセーショナルであったり、革新的であったかもしれないが、こんにちの我々の目には実にオーソドックスに映るという例は決して珍しくない(これは美術だけではなく、音楽にも同じことがいえる)。 |
私は絵画でも音楽でも、構成力(構図)よりもタッチに惹かれる傾向が強い。マイルス・デイヴィスの音楽は、たとえ初めて聴く演奏であっても、彼独特のトランペットのタッチ(この場合、トーンと言い換えてもいいかもしれないが)から判別できる。 |
今展では、セザンヌが「タッチ」を見いだす前の初期作品も展示されている。作家名が記してなければ、私はそれをセザンヌの作品とわからなかっただろう。セザンヌはタッチの画家なのだと改めて感じた。 |
私はセザンヌのおかげで絵を観る喜びを知った。だから、セザンヌは私にとって師匠であり、恩人でもあると思っている。今展では90点にも及ぶ作品に囲まれ、至福のひとときを過ごすことができた。 |
ところで国立新美術館は、 二・二六事件ゆかりの旧歩兵第三連隊兵舎の跡地(戦後は東京大学生産技術研究所として使われていた)なので、その一部分がほんの申し訳程度に保存されている。 |
◆このごろの斎藤純 |
〇いよいよ連休だ。去年はあまり休めなかったが、今年はほぼカレンダー通りに休めそうだ。 |
『アガルタ』/マイルス・デイヴィスを聴きながら |
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