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◆第179回 ベルリン・フィル12人のチェリストを聴く(21.July.2008) |
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ベルリン・フィル12人のチェリストたち 2008年7月15日(火)午後6時30分開演 盛岡市民文化ホール大ホール |
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ウィーン・フィルと人気、実力を二分するベルリン・フィルのチェロ奏者12人からなるアンサンブル(以下12人と記す)のコンサートに行ってきた。チェロを愛するぼくにとっては待望のコンサートだった。
一口で言うと、趣味のよいコンサート。趣味のよいコンサートには、ときとして「厭味」な感じがすることもあるが、それがまったくなかった。希有なコンサートである。 1曲目のクレンゲルは、12人が正式に結成した際の記念すべき曲。つづくブラッヒャーも12人が世界で最初に公演をした際に初演した記念すべき曲。ちなみに世界初公演はドイツ本国ではなく、日本だった(1973年)。 このブラッヒャーがとてもよかった(できれば、この手の現代音楽をもっと聴かせてほしかったが、それではマニアックなプログラムになってしまいますね)。 特殊なアンサンブルなので、編曲ものが主になる。カチコチのクラシックファンは編曲ものを嫌うから、いかにベルリン・フィルのメンバーとはいえ、聴く人を選ぶのは否めない。セミ・クラシックのコンサートだと思っていただければわかりやすい。 その編曲が素晴らしい。 しかも、相当なテクニックを駆使しているのだが、そういう暑苦しさをまったく感じさせない。ふだんは厳格な演奏を強いられる12人が、このアンサンブルのときはここぞとばかりに自由闊達に演奏しているように感じられた。 ときに管楽器のような響きを、ときに鍵盤楽器のような響きを耳にした。いったいどうやっているのだろうと不思議だった。 アンコールの「荒城の月」は、拙著『銀輪の覇者』で主人公が弾いている曲なので、嬉しかった。 12人は音楽外交使節としての役割も各国で果たしている。日本との関係も深く(日本の楽曲だけを収めたCDも出しているくらいだ)、天皇皇后両陛下の行幸啓が恒例となっていて、今回も東京公演には両陛下がそろってお出ましになられた。 という、まあ、大変なコンサートなのだが、この日、盛岡市民ホール大ホールは客席の半分が空席。東京公演はチケットが売り切れたそうだから、みごとに地域格差と不況を示している。 ちなみに、チェリスト12人の移動には24人分の旅費が必要だってご存じでしたか。チェロが一人分の座席を必要とするからです。 ところで、12人が所属するベルリン・フィルのコンサートが11月に東京でひらかれる。指揮はサイモン・ラトル。そのチケットの値段だが、S席が40,000円、最も安いE席でも16,000円もする。この値段にも驚くが、なんとこれが即日完売というのも驚かされる。 実はチケットを買おうと思って何度か電話をしたが、つながらなかった。 |
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◆このごろの斎藤純 |
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○長年悩んでいたのだが、決心した。何を決心したかって? |
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モートン・フェルドマン:弦楽四重奏曲 を聴きながら |
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