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◆ 第251回 宮古の賑わい (27.June.2011)

 6月11日と12日の二日間にわたって、「宮古あきんど復興市」が宮古市駅前の商店街で開催された。これに関連して、野外コンサートが2会場で開かれた。
 私が参加しているホットクラブオブ盛岡がこのコンサートに招かれ、12日に演奏してきた。

 その日、宮古はヤマセの影響で、ジャケットがないとちょっと涼しいという気候だった。
 宮古にはSAVE IWATEの活動で、支援物資を運ぶために前にも訪れている。来るたびに着実に復興していることが見てわかり、頼もしいと感じていた。
 「宮古あきんど復興市」も活気にあふれていた。大漁旗がはためく商店街はすごい人出で、まるで元旦の盛岡八幡宮境内のような賑わいだ。通りを歩いて、また驚いた。元小錦関がいたと思えば、元武蔵丸関もいる。盛岡の知人にも出会った。

 私たちが昼食をとった魚菜市場の駐車場では別の野外コンサートが行なわれていた。メジャーなロックバンドが11も出たそうだ(騎士団がトリをつとめた)。地元のためのイベントなので、ほかからの人が来て混乱しては困るから「インターネットでの情報拡散」を禁止していたという。それでも、各地からファンが来ていたようで、会場は1000人以上のロックファンで埋まっていた。

 一方、私たちが演奏した会場(岩手銀行宮古支店駐車場)はちょっと寂しい感じだったものの(なにしろ、みんな魚菜市場の野外コンサートに行っている)、ホットクラブオブ盛岡の演奏がはじまると通りかかった買い物客らが会場に入ってきて、熱心に聴いてくれた。
 プログラムは「黒い瞳」、「マイナースイング」などマヌーシュ(ジプシー)スイングの定番を聴いていただいた。演奏終了後、買い物袋をぶらさげた男性が「ジャンゴ・ラインハルトが好きなんだけど、生で聴けるとは思っていなかった。盛岡でのライヴを聴きに行きたい」と、わざわざ声をかけに来てくれた。どこでも一人くらいはジャンゴ・ファンがいる。喜んでもらって、本当に嬉しかった。

 ホットクラブオブ盛岡のメンバーは、ギター&ボス寺田誠、ギター北田キタロー、ギター斎藤純、ベース大塚裕之。ギターの北田さんは宮古市出身だ。
 私たちは今回のように被災地からの要請があった場合以外は被災地での演奏活動を遠慮している。そのかわり、盛岡市内でのチャリティーコンサートにはできるかぎり出演するようにしている。これまでに宮古出身の国際的なジプシーヴァイオリニスト古舘由佳子さんともチャリティーコンサートで共演させていただいたし、もりおか啄木・賢治青春館で開催されたチャリティーコンサートにも出演した。7月30日に岩手県公会堂で開催されるチャリティーコンサートにも出演する予定だ。

震災復興イベント「宮古あきんど市」ライブの出演者&スケジュールは下記のとおり。

A Stage=岩手銀行駐車場
B Stage=セントラルホテル熊安横駐車場

6/11(sat)
[A Stage]
12:00〜いしだるま(ロック)
12:40〜THE HOT LEGS(ロック)
13:20〜安藤兄弟(太鼓&笛)
14:00〜倉田バンド(ブルース)
14:40〜カメレオン(ロック)
15:20〜The Pentatonics(ロック)
[B Stage]
11:30〜うに゜(宮古弁フォーク)
12:10〜空我(クーガ)(ロック)
12:50〜BON&ヒロシ(ロック)
13:30〜吉田ひろしBlues Band
14:10〜御縁組(ロック)
14:50〜Emi&Friends(ジャズ)

6/12(sun)
[A Stage]
12:00〜Jiro.Mac(ロック&ポップス)
12:40〜MOUNTAIN(オールデイズ)
13:20〜らんぶらぁず(カントリー&ブルーグラス)
14:00〜兎々(とと)(ロック)
14:40〜HOT CLUB OF 盛岡(ジプシースイング)
15:20〜Takafumi Kakizai "K&M"(ジャズ)
[B Stage]
11:30〜まっしゅ、sachi(フォーク)
12:10〜DECOY×DECOY(ロック)
12:50〜ESSENSE(ロック)
13:30〜Soul of chicken(ブルース)
14:10〜大迫 あやかしまやかし(ロック)
14:50〜蝦夷(ロック)                  

◆このごろの斎藤純

〇去年の今ごろ、疲労蓄積がたたって顔面神経麻痺を患った。いろいろな頼まれごとを極力断るようにしていても、まだ忙しい。心の休まる時間がほしいものだが、被災地の人たちはもっと痛切にそれを願っているに違いない。

新しい音楽/カッチーニを聴きながら